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書籍「早く肉をやめないか?」

2020/01/11

狂牛病の話題があってから久しいが、このところ周りで原因不明の病気にかかったり、体に力が入らなくなり歩行困難になった人や、がん患者や認知症も増えたように思う。

改めて船木俊介氏の2001年発行の“早く肉をやめないか”を読み返してみた。読み進むにつれて、当時となんら状況が
変わっていないのではないかと懸念している。

船瀬氏の本には現代の畜産業の持つ危険が事細かく述べられている。
1992年にピークをむかえ2001年に日本でも発生し国際的に大きな問題となったBSE(狂牛病)は、草食動物である牛が牛を食う(病気に感染した牛の死骸が牛の飼料に化ける)という悪魔のような食物連鎖が原因だった。
牛への動物性飼料の禁止で狂牛病の危険は去ったかのように思えるが、「草食動物に共食いを強いる」という動物の生態や習性を無視した工場型畜産の体質はいまも変わっていない。牛を繋ぎ飼いし、豚を豚舎に閉じ込めて密飼いし鶏をバタリーケージに閉じ込めつづけている。広い野原などを思いきり運動し駆け回ることこそ彼ら本来の生き方のはずだ。その本能的な運動すら許されない。深刻な運動不足でさらに動物は疲弊する。そこでさまざまな感染症、乳房炎などに襲われる。動物の「健康」や「生命」を無視した効率主義が今の畜産だ。
畜産業者は病気予防のために抗生物質や動物用薬剤を投与する。注射、餌への配合、経口投与もいまや日常茶飯事だ。このような不健康で薬漬けの肉が、人体に良い影響を及ぼすとは思えない。

この本を読むと、畜産動物の苦しみの裏で、製薬業界や化学業界が莫大な利益をあげ、生命産業であるはずの農業が他の業界に食い物にされる光景が浮かび上がる。この「反自然」と「闇利権」の鎖を断ち切らない限り、狂牛病や口蹄疫だけではなく、さまざまな厄災が次から次へと畜産業に襲い掛かるだろう。そして市民もまた甚大な被害をこうむるだろう。

本書には、牛肉50%減で地球温暖化は救えると書かれている。牧草地が森林に戻ることでCO2を吸収する。牛肉を食べるのをやめて、大豆にすれば同じ耕地で20倍の人が生きていけるという。しかしテレビでは肉食と乳製品の宣伝が目に余る。医者までが肉を食べることを勧め、肉食礼賛の栄養学がまかり通っている。その背景には巨大穀物メジャーとそれに連なる巨大食物メジャーが「政治」と「教育」と「メディア」をほぼ完全にコントロールしているからだと船瀬氏は説く。「政治献金」「広告料」という巨大なエサの前に、政治屋もマスメディアも沈黙するどころかシッポを振って偽情報を垂れ流す。

改めて本を読み返し、今すぐに私たちに出来る事は何だろうかと考えてみた。利権がらみの政治を変えることは容易ではない。だが“肉”をやめるのはそんなに難しいことではない。先日日本は、石炭火力発電に依存し温暖化対策に消極的だとして不名誉な「化石賞」を受賞した。だが私たちにもできることがある。“肉”をやめるだけで動物は解放され、地球温暖化防止に貢献できる。

船瀬氏は最後にこう書いている。
 “肩の力を抜いて、まずはベジタリアン料理の美味なる世界を、楽しんでみてはいかがだろう”

一人でも多くの人にこの本を読んでもらいたいと思う。そして食卓の上から気軽に実践できることを試してほしい。

(Y.Sato)

 

 


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